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大会レポート

大会3日目レポート

大混戦から一歩抜け出した!
韓国のユン チェヨンが通算5アンダーで日本初V王手

首位から3打差まで9選手がひしめく大混戦から始まったムービングサタデーの第3ラウンド。しかし、難攻不落の葛城GCは選手たちの攻めゴルフを相変わらず弾き返し、この日のベストスコアを69に抑え、ビッグスコアを出させてはくれなかった。

上位陣がスコアを伸ばし切れない。首位タイでスタートした韓国の李 知姫はバーディーを一つも取れなかったものの、ボギーを一つにとどめて73でフィニッシュ。通算3アンダーの2位タイに踏み止まり、首位とは2打差で最終日の逆転優勝を目指す。

同じく首位タイ発進の台湾のテレサ・ルーは、1バーディー、4ボギーの75とスコアを大きく崩して通算1アンダー・4位タイに後退した。

しのぐ、耐える、我慢するゴルフを強いられる難コース。そんな中で、4バーディー、2ボギーの70をマークした、韓国のユン チェヨンが通算5アンダーとして、前日の3位から単独首位に立ち、大混戦から一歩抜け出した位置で最終日を迎える。日本ツアー2戦目のチェヨンにとっては日本初Vのビッグチャンスだ。

そんなチェヨンを2打差の通算3アンダー・2位タイで追い掛けるのが、李と韓国の申ジエ。さらに2打差の通算1アンダー・4位タイには、この日のベストスコアをマークした一ノ瀬優希をはじめ、前年大会覇者の渡邉彩香に鈴木愛、笠りつ子ら5選手が名を連ねる。

アンダーパーの選手は全部で8人。アマチュアで予選通過を果たし、通算1アンダー・5位タイからスタートした勝みなみは、この日はバーディーを一つ取っただけで、80と大きくスコアを崩し、通算7オーバー・42位タイに後退した。

4日間競技となって4回目を数える今大会だが、またしてもスコアボードにはアンダーパースコアを示す赤文字数字がわずか8つと少ない。コース攻略が難しいほかに、明日の最終日は優勝という重圧にも耐え抜かなければ頂点には立てない。タフな戦いが、熱いドラマを演出し、春の女王戦を伝説へと昇華させる――。

日本初Vで夢が広がるのは
チェヨンよりもファンかも知れない

前半9ホールを2バーディー、ノーボギー。後半1ホール目でこの日3つ目のバーディーパットを確実に沈めた韓国のユン チェヨン。この時点で通算6アンダーまでスコアを伸ばし、首位独走かと思わせた。それでもチェヨンは派手なガッツポーズを見せることなく、ギャラリーの拍手や声援に軽く会釈して応える。心情を表には出さないプレーヤーだ。

だが14、16番ホールでパーオンを逃し、ボギーをたたいてしまった。堅実なプレーを続けて来た流れが、止まってしまうように思えたが、最終18番ホールのパー5では3打目をピンそばにピタリとつけ、バーディーフィニッシュで締めくくり、この時もまた軽く会釈してスコア提出所へと歩を進めたのだった。

8頭身美人プロというニックネームもあるが、そのプレーぶりからは「クール&ステディー」という表現がピッタリだ。

2年前に出場した際は23位タイに終わっている。「2年前も風の影響が大きく、とても意識しましたが、今回もそれを忘れないようにしています。ラウンドした際の印象に残っているポイントもメモし、それを今回の出場に合わせて(帯同キャディーが)持って来ています。(最終日最終組の好位置は)ミスをあまりしていないことと、チャンスを逃がさずに決められたから」とチェヨンは自己分析している。

最終日首位は昨年11月の韓国ツアー以来。今年はまだ試合出場3試合目だが、先週のベトナムでの試合に出場した際、食あたりとなり、おかゆだけを口にして過ごしたという。それもあってか「予選落ちしたので疲れは残っていません。今週は月曜日に来日しましたが、すでに体調も回復していました。日本食は安心して食べられますし、食後は毎日温泉に入って筋肉をほぐしています」とすっかり日本ひいきになったようだ。

最終日は申ジエ、李 知姫との最終組。韓国人選手同士でのラウンドになるため、リラックスしたムードの中でプレーができる。「今日も最終組でラウンドしましたが、思った以上に緊張しませんでしたし、焦りも感じず、冷静にプレーできました。明日の最終日も自分のプレーに徹し、一球一球、集中していきたいです」と抱負を語ったチェヨン。

日本初優勝を遂げたなら日本ツアーに本格参戦する資格を獲得する。「そんなことを具体的にイメージしたことはありません。それは、明日、優勝したら考えます」と答えたが、今大会での活躍で日本にもチェヨンファンは急増しただけに、二足の草鞋(わらじ)も悪くないはずだ。せめて、ウイニングボールを沈めた時に、弾けるガッツポーズを日本中に見せつけて欲しい。

大会3日目のコメント

一ノ瀬優希
4位タイ・通算1アンダー(3Rスコア69/5バーディー・2ボギー)

「初日が終わってからのパット練習で、これかなという打ち方があり、それを翌日試したら結構よく、バーディーパットを狙いに行けるストロークになり、今日は結果として出てくれました。左足体重が乗り過ぎていたのです。難しいコースが好きです」

渡邉彩香
4位タイ・通算1アンダー(3Rスコア72/3バーディー・3ボギー)

「難しいラインについてしまったのが多く、パットが入りませんでした。ショットは日に日に良くなって来ています。去年逆転した良いイメージが残っているので、諦めずにプレーするだけです」

笠りつ子
4位タイ・通算1アンダー(3Rスコア73/3バーディー・4ボギー)

「ボギーが先行してしまい、何とかバーディーを獲ろうと切り替えました。やっぱりピン奥に行ってしまうと難しい。ボギーは、ほとんどがリカバリーミスでした。今日のゴルフをしていたらダメですね。明日は、いい流れが来ると信じて頑張ります」

鈴木愛
4位タイ・通算1アンダー(3Rスコア71/1イーグル・4バーディー・3ボギー・1トリプルボギー)

「ゴルフの調子はずっと悪くなく、基本的にはいい感じ。噛み合うか合わないかで、噛み合えばいいスコアが出るし、噛み合わなければイマイチ。調子は悪くないんですけど乗るところが難しいところばかり。なかなか(パットを)打ちきれませんでした。自分の中では、しっかりできているのでチャンスだと思います」

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