5バーディー、1ボギーの4アンダー・68でフィニッシュした地元・静岡県出身の渡邉彩香が首位タイの座についた。昨年は大会2連覇を目指したものの、惜しくも3位タイ。その経験を生かし、ショットの復調と大勢のギャラリーの応援を味方にしての好スタートとなった。渡邉とともに首位に並んだのは韓国の申ジエ。渡邉と同じく5バーディー、1ボギーの4アンダー・68をマークした。
首位から1打差には藤田さいきと韓国のペ ヒギョン。さらに1打差の5位タイには永峰咲希、成田美寿々がつけた。
ホステス大会となるヤマハスイングレディース8選手の中では、大山志保が1アンダーの7位タイで上位集団に食い込んでいる。なお、昨年覇者の韓国・李知姫は、4オーバーの55位タイと大きく出遅れた。
地元・静岡県で今季初Vを目指す渡邉彩香が、好スタートを切った。10番からのティーオフとなった渡邉は、12番で2メートル、15番では3メートルのバーディーパットを確実に沈め、スコアを二つ伸ばしてハーフターン。3、4番での連続バーディー、7番では4.5メートルの距離のバーディーパットも決め、5アンダーとして一時は単独首位に。
しかし、この日の最終ホールとなった9番のパー4で、2打目をグリーン前バンカーに打ち込み、その3打目を寄せ切れずに2パットでホールアウト。ボギーを叩いてしまい、4アンダーの首位タイでフィニッシュとなった。
静岡県熱海市の実家からコースまでは車で2時間掛かるため、車通勤ではなくホテルに宿泊。両親は日帰り応援をしてくれている。さすがに地元プロだけあって、大勢のギャラリーを引き連れてのラウンドとなったが、「知っている顔も多く、応援してもらってうれしい。良いプレーをしなければ! の思いが一段と強まりました」と渡邉。そのファンサービス精神が好スコアにつながった。
昨年は大会2連覇を目標に出場したが、惜しくも3位タイで目標達成とはならず。それでも最終日に60台のスコアをマークしたことで自信もついた。
今季は開幕戦から安定した成績を残しているが、「スイングで気になるポイントがいくつかあり、それを修正するために練習の球数は多くなりました。(今朝の)スタート前の練習もタップリ打ち込むことができ、不安なくティーに立てた」ことも好スコアの要因となった。不安材料を練習で打ち消し、多くの応援団を味方にしてのラウンドは地元冥利に尽きる。
これまでのツアー通算3勝すべて、両親がコースへ応援にかけて着けてくれたこともあり、この大会で「4回目の親孝行V」達成も濃厚に。
「確かに(難コースで)初日から60台のスコアを出せたことに関してはプラスに考えたいですね。でも、(4日間大会だけに)まだ3日間残っています。残り3日間も(60台スコアを)出せるように頑張ります」と気を引き締める。
明日からは雨ゴルフを強いられる天気予報となりそうだが、ドライバーショットが復調したことで持ち前のビッグドライブも取り戻し、「キャリー250ヤード」(渡邉)は、女子ツアーにあっては最強のアドバンテージ。渡邉にV逸の死角が見当たらず、地元で今季初Vが、やはり濃厚なのかもしれない。
「1月のタイ合宿に行く前に風邪を引いてしまい、その後も良くならず、たくさんの方に心配していただきました。今日はトップスタートでグリーンもいいコンディションだったので、よく転がってくれました。ラスト3ホールもナイスパーでしたね。今日スコアを伸ばせてよかったです」
「パターが凄く良かったと思います。オフの合宿で下村真由美プロに教えてもらい、ショットの方はバラバラだったんですが、昨日父が見てくれて修正できました。貯金ができたので、明日は耐えるゴルフをしたいです」
「9番のボギーはもったいなかった。ノーボギーで上がりたかったです。アイアンショットが冴えていて、チャンスにつけることが多かった。でもグリーンが難しいですね。ミスを減らしてボギーを打たないようにプレーすれば、チャンスは来ると思います」