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大会レポート

大会2日目レポート

新コースレコード“64”を樹立したアン ソンジュが首位独走!
3打差の2位に渡邉彩香

正午過ぎには鉛色の雲から雨滴が落ち出す、あいにくの天候となった大会2日目。気温は正午で13.7度だが風速2.9メートルは体感温度を低くさせた。午後からは吐く息が白く見えそうなほどに。選手が手に息を吹きかけたり、ショット前に入念にグリップを拭ったりするシーンが目立った。

だが、そんな悪天候の中、一人だけ別世界でラウンドしたようなビッグスコアをマークしたのが、韓国のアン ソンジュ。前半を1イーグル、3バーディー、1ボギーの32で折り返し、後半は3バーディーを奪って迎えた最終ホール。パーセーブなら、それまでのコースレコード65に並ぶスコアだったが、確実にバーディーを奪ってコースレコードを更新。通算7アンダーでフィニッシュし、2位の渡邉彩香に3打差をつけての単独首位に立った。首位と4打差の3位に韓国のイ ミニョン、さらに1打差の4位には比嘉真美子がつけている。

ヤマハスイングレディースの最上位は、今季から新加入した有村智恵が2アンダーをマークし、同じく新加入の大山志保とともに通算2オーバー・15位タイで大会3日目を迎える。

明日からの決勝ラウンド進出者は通算6オーバー・50位タイまでの61名。順位が大きく入れ替わるムービング・サタデーは、さらなるビッグスコアがマークされるかも知れない。見逃せない真の戦いは、残り36ホールに凝縮されている。4日間競技ならではのアグレシッブなプレーに期待したい。

比嘉真美子 “復活優勝”という桜(はな)を咲かせる!

桜前線の上昇に待ったをかけるかのように、春先の冷たい雨が、開花前の桜のつぼみに降り注ぐ。難攻不落の葛城GCは、正午過ぎからの冷たい雨で、さらに難易度を増して行った。前日の初日はアンダーパーをマークした選手が17人いたが、2日目は9人にまで減ったのだった。

その一方で、天候に左右されずに自分と向き合い、目の前の一打に集中するプレーに徹してスコアを伸ばした選手もいる。比嘉真美子もその一人。

「天気予報で午後からは雨が降ることをあらかじめ知っていましたし、(自分が)スタートする時には降り出しました。ボギーが出ても忍耐強くプレーしようと決めていましたし、悪天候でのラウンドは決して嫌いではないので」

その言葉どおり、スタートの1番パー4で、2打目の残り128ヤードをピッチングウェッジで打ち、ピン左3.5メートルにオン。バーディーパットを確実に沈める。4番でもバーディー奪取に成功したが、9番パー4では「寄らず入らず」の3オン2パットでボギーとした。

ハーフターン後は、さらに雨が強まったものの、15番までパーセーブでスコアを堅守。16番パー4でボギーを打ったが、最終18番パー5ではピンまで残り90ヤードの3打目を、ロフト54度のウェッジでピン右2メートルに絡ませ、バーディーフィニッシュ。1アンダーの71で回り切り、前日の1アンダー・7位タイから通算2アンダー・4位にジャンプアップした。

ツアー初優勝を飾ったのは2013年4月。奇しくもこのヤマハレディースオープン葛城だった。この年、年間2勝を達成し、賞金ランキングは自己最高の8位に駆け上った。2011、12年と2年連続で日本女子アマチュア選手権を制し、鳴り物入りで12年にプロ転向。順風満帆なツアープロ人生を歩むかのように思われたが、14年はツアー後半から極度のドライバーショットの不振に陥り、翌15年には賞金シード落ちを喫した。

「練習場で、たとえ100パーセントのドライバーショットを打てていたとしても、コースでも再現できるかどうか(できなければ意味がない)。毎日、練習して少しずつできるようになり、それが結果につながって来ています。練習の成果を反映させるには、上のレベルになればなるほど難しい。ドライバーショットの課題は、リズムを崩さずに打てるようにすることです。風、悪天候ながら(リズムを)見失わず、信じて打てたのは良かったかな」と、比嘉は現時点での復調ぶりに慢心はしていない。

雨ゴルフを強いられたこの日は、あえてドライバーを手にせず、3番ウッドを選択したホールもあり、その使用比率は五分五分だったという。

初優勝を遂げたコースに相性の良さを覚えるかと尋ねると「勝ってもいるし、予選落ちもしています。過去の成績は関係ありません。なぜならコースは風が吹いても、天候によっても変わって来るからです。このコースで勝つには周り(のスコア)を気にせず、自分とコース、自然といかに向き合えるかだと思います」と比嘉は言い切った。

雨止んで地固まり、桜咲く。復活の花を咲かせるには、練習で紡ぎ上げて来たスイングリズムを保ち続けることだと比嘉は、信じている。

大会2日目のコメント

アン ソンジュ トーナメントコースレコード更新
1位・通算7アンダー(2R、64/1イーグル、7バーディー、1ボギー)

「(レコード更新に)ビックリです。8番のイーグルはグリーン奥まで行っていたかもしれないので、入ってくれてラッキーでした。(寒くて)腕が動かなくなるし、指も凍った感じになっていました。ショートアイアンの調子が良かったし、パッティングも戻ってきました。明日からは優勝のことは考えず、ボギーを打たないゴルフをしていきたい」

渡邉彩香
2位・通算4アンダー(2R、72/2バーディ、2ボギー)

「雨よりも寒かったし、楽ではなかったです。欲を言えば(スコアを)伸ばしたかったですけど、パットのフィーリングは合っているし、バーディは来てないけど感触はいいです。明日はちゃんと(ラインを)読んでいきたい」

イ ミニョン
3位・通算3アンダー(2R、70/3バーディー・1ボギー)

「今日は70点です。ショットが悪く、我慢しながら合わせていたという感じです。日本は楽しいですね。今季はシード権を取ることが目標。(明日からは)優勝は意識せず、楽しんで回りたい」

鈴木愛 4番でホールインワン
5位タイ・通算1アンダー(2R、70/1ホールインワン・1バーディー・1ボギー)

「開幕からあまりいいことはなかったんですけど、やっといいことがありましたね。でも、先週の若林さんにたいに、ホールインワンを出した後も気を抜かないように心がけました。残り2日、オーバーパーを叩かないように頑張りたい」

鬼頭桜 11番でホールインワン
26位タイ・通算3オーバー(2R、71/1ホールインワン・2バーディー・3ボギー)

「入るところは見えてないです。ギャラリーの歓声で入ったんだなと思いました。プライベートでは2回ありますが、試合では初めて。うれしいです」

※ホールインワンの二人には、10万円を贈呈(株式会社ヤマハリゾート提供)

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