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大会初日レポート

大会初日レポート

黄アルム、出場選手唯一の60台をマークし、
3アンダーで単独トップ発進!

大会舞台・葛城ゴルフ倶楽部が、さっそく牙を剥いた。風向きが目まぐるしく変わり、ショットにプレッシャーを掛ける。さらに、風がグリーン上の芝を乾かし、時間が経つにつれ、一段と硬く引き締まり、グリーンキャッチを阻む。乗せてからも超高速グリーンがシビアなタッチを強いる。ティーショットからカップインまで、気を抜くことは決してできないタフなコースコンディションと化したのだ。

出場選手120人中、アンダーパースコアをマークしたのは、わずか6人。その最上段に名を掲げたのは、5バーディー・2ボギーでホールアウトした、2009年大会覇者の黄アルム。「ショットだけでなく、パットでも強い風の影響を受けることは覚悟していた」という賢明さで、ボギー数よりもバーディー数を上回らせて、この日のベストスコア69を作り上げた。ただ一人の60台スコアでの単独首位だ。

ディフェンディングチャンピオンのアン ソンジュが、3バーディー・1ボギーの安定したプレーぶりで1打差の2位に。さらに1打差の1アンダー3位タイには岡山絵里、ユン チェヨン、金澤志奈、小橋絵利子の4人で、首位と4打差に24人がひしめく大混戦となった。明日、ビッグスコアをマークして抜け出すのは誰か。耐える、凌ぐ、守る、少ないチャンスをものにする。タフな戦いを勝ち抜く方程式を実践するのは――。

一打一打に集中して単独トップ発進も、
パットが決まってくれたことを喜ぶ、黄アルム

2009年大会覇者の黄アルムが単独首位に立った。5バーディー・2ボギーの69。出場選手120名中、ただ一人60台のスコアをマークしてのトップ発進に、気を良くしているかと思われたが、実際はそうではなかった。

雲ひとつない快晴に恵まれた予選第1ラウンド。北西の風がコース上空の雲をすべて吹き飛ばしていたのだ。一番組のスタート前からピンフラッグは揺れっぱなしで、難攻不落の大会舞台・葛城ゴルフ倶楽部の攻略難易度はさらに高まった。

パーセーブがバーディー奪取に匹敵するようなコースコンディション下で、黄はバーディーを5回もねじ込む好プレーを演じ切った。

インの10番からスタートし、13番で5.5メートル、17番で3.5メートルの距離を1パットで決めてハーフターン。後半の出だし1番では60センチのパーパットを外してこの日初めてのボギーを叩く。

「グリーン上でも風の影響を受けるような状況で、ライン設定にも迷いがあったまま打ってしまいました。案の定、風によってボールがラインから外れてしまった。でも、今日はこんな事が一度や二度あっても不思議ではないと思っていたので動揺はしませんでした。すぐに気持ちを切り替えられたのが(残りのプレーにとって)良かったように感じます」。

続く2番で7.5メートルのバーディーパットを決め、バウンスバックに成功。その後も3、8番でバーディーを奪取して、自身にとっての最終9番・パー4を迎えた。パーオンを逃し、3打目のアプローチを寄せきれず、2パットのボギーでホールアウト。

「一打に集中して18ホールを回り切ることができました。それがスコアにつながっただけで、特別何が良かったというわけではありません。ひとホールで何打もスコアを落としてしまう危険もあるので、残り3日間も今日と同じく、一打に集中するだけです」と黄はまったく気を緩めない。

昨季ツアー前半戦は13戦目を終えるまでベスト10入りを果たせなかったものの、その後は上り調子となり、7月末から3勝を飾っている。

このオフの調整は「例年以上にうまく行ったので、あとは実戦でその成果を出せるかと思って開幕戦を迎えました。ショット練習を主体にした分、パット練習が少なくなり、パットが入ってくれるかどうかの状態です」。

そのパット調整の遅れを取り戻そうと、前日も遅くまで練習グリーンでボールを転がし続けた。その効果が早くも現れたようで「今日はタッチも良かったし、思うようなストロークができたのが何よりも嬉しい」と目を細めた。

首位発進という結果よりもイメージするパットストロークを実践できたことを素直に喜んだ黄。10年ぶりの大会2勝へ一歩近づいた。

「(大会制覇は)もう10年も前の話ですよ。でも、あの時も確かに、一打集中のプレーに徹し続けたら、勝ってしまったんですよね」と、さらに目を細めて見せた。

大会初日のコメント

アン ソンジュ
2位・2アンダー(3バーディー・1ボギー)

「風が強い中では、今日はいいプレーができたと思います。もったいないパットは何本かありましたけど、90点くらいあげていいかなと思います。このコースは風がすごくてグリーンも硬くて速い。その中で自分ができること、できる範囲でやることを見つけてやっていかないといけないと思います」

岡山絵里
3位タイ・1アンダー(3バーディー・2ボギー)

「もう少し伸ばしたかったんですが、風が強くて難しかったし、パターも風に影響されていました。その中でもアンダーで回れたので良かったです。明日も油断しないで集中してやっていきたい」

金澤志奈
3位タイ・1アンダー(2バーディー・1ボギー)

「風と難しいコンディションの中、いいプレーができたと思います。とにかくグリーンに乗せることだけを考えて、あとはパッティングで頑張ろうと。なるべくパーオンするように意識していたし、パーオン率が良かったのでこのスコアにつながったと思います」

小橋絵利子
3位タイ・1アンダー(4バーディー・3ボギー)

「(スコアは)だいぶ満足しています。ショットがたまたま良かったし、短いパットを何個も外したので、そういうのを入れていかないと100点はつけられないです。明日も守るところは守って、攻めるところは攻めて、パターが入ってくれることを願います」

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