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大会3日目レポート

大会3日目レポート

アン ソンジュがトータル4アンダーで単独トップ
2位に3打差をつけ、大会連覇に王手!

春の女王戦は最終章へ――。ヤマハレディースオープン葛城は、競技54ホールを終了して、昨年大会覇者のアン ソンジュが単独首位に立ち、2連覇に王手を掛けた。

決勝ラウンドの3日目も、予選ラウンド同様に強い風がコースに吹き続けた。風速8.7m/s。ピンフラッグは揺れ、はためき続ける。ティーイングエリアとグリーン上の風向きが異なるホールもあれば、ショットした途端に風が強まることもあるほど、コースの難易度は高まるばかり。

「6・8・2」。第1ラウンドから第3ラウンドまでのアンダースコアの選手の数だ。第2ラウンドでは8人に増えたものの、第3ラウンドでは2人に減り、スコア状況もまたメジャー大会級となった形だ。

そんな中でソンジュは、4バーディー・1ボギー69のベストスコアをマーク。トータル4アンダーにスコアを伸ばし、3位タイから単独首位の座に躍り出た。3打差でトータル1アンダーの2位に金澤志奈、さらに1打差のトータルイーブンパー、3位タイは成田美寿々、黄アルム、大山志保、ぺ ソンウ、穴井詩の5人。ソンジュの大会2連覇なるか、それを阻止し、逆転優勝のドラマを演じる選手が現れるのか。

タフな4日間72ホールのエンディングは、春の女王戦に相応しく、ギャラリーを感動させるシーンとなるはずだ。

成田美寿々が苦手な葛城で“奇跡”のノーボギー
“2パット星人”で狙うは逆転優勝

自身初出場の12年大会は予選落ちに終わり、翌13年は大会初の予選通過で55位タイ。大会自己最高成績は14年大会の40位タイ。これまで計5回出場して予選落ちを3回喫していた成田美寿々が、3バーディーで69のベストスコアタイをマークして、前日の23位タイから3位タイに急浮上。明日の最終日に逆転優勝を狙える好位置につけた。

「奇跡ですよ。この強風(8.7m/s)ですし、苦手コースなんですから。予選通過できただけでも…この位置(順位)はあり得ませんよ」。成田は笑みを交えながら素直な思いをそう口にしたのだった。

確かに、過去の大会成績を見たなら、優勝争いに加わるのは“奇跡”かも知れない。

ではなぜ、苦手コースで“ムービングサタデー”のこの日、ボギーを一つも打たず、スコアを3つ伸ばせたのか。

その一つは「3パットを打たない」ことを目標に今季ツアーに臨んだ。その目標は達成していた。だが厳密に言えば、3パットはしていないものの、これまで4パットを2回もしでかしていたのだ。パットの不安。それを払拭する出来事が舞い降りた。

全英、全米女子オープン覇者のアリヤ・ジュタヌガーンが夢に出て来て、彼女が手にしていたパターを使ってみようと思いたったという。マレット型ヘッドに中尺パター用のグリップを通常シャフト長に装着。さらに、グリップの握り方をクロスハンドに変更しての新パットスタイルで臨んだのはアクサレディス最終日だった。それ以降、3パットも4パットも根絶された。

グリーンに上がった際には「2パット星人!2パット星人!」と心の中で自分に言い聞かせ続けている。

ノーボギーゴルフをもたらしているもう一つの要因は「例年よりもグリーンが少し軟らかい」ことだと成田は話す。風が吹き、晴天続きによってグリーンは日に日に引き締まるばかりだが、成田にとっては他の選手が口にするほど、決して硬くはないように感じるのだろう。個人それぞれの感覚だが、硬いグリーンで求められるアイアンショットやアプローチショットが打てているからこそ、そう感じられるのではないだろうか。

開催週の火曜日、静岡県掛川市の有名店で好物の鰻を福田真未と食し、英気を養い、リラックスもして大会に臨めたことも奏効したようだ。

明日の最終日は最終組でスタートする。首位とは4打差。日本人選手の優勝となれば開幕戦から5連勝となる。「14年ぶりの記録になるんですよね」と成田は、優勝を意識しているようなコメントを残した。

大会3日間54ホール終了時点で、ノーボギーゴルフの最多ホール数は鈴木愛の30ホール、大山志保の24ホール、それに次ぐのが成田の24ホール。ただし、成田は継続中であり、最終日18ホールでも続けられたなら、首位アン ソンジュとの4打差も逆転できるはずだ。成田自ら“奇跡”を再び起こせるか。

大会3日目のコメント

アン ソンジュ
1位・トータル4アンダー(4バーディー・1ボギー)

「今年に入って60台は初めて。この難しいコースで出てくれて、ホッとしているよりうれしい気持ちのほうが強いです。優勝のことは考えていないし、あとは明日、体の調子がどうかだけ。上位にいる選手は上手い人ばかりだし、負けないように頑張りたい」

金澤志奈
2位・トータル1アンダー(1バーディー、2ボギー)

「今日は1日必死でした。終わってみて(今日)1オーバーで良かった。前半二つボギーがあって、そのあとは切り替えて我慢できました。(最終日は)1打でも良く上がれるよう、1コか2コ伸ばせれば」

大山志保
3位タイ・トータルイーブンパー(3バーディー、4ボギー)

「まずまずのゴルフ。楽しかったし、風と仲良くプレーできました。ミスをしても自分を責めず、受け入れてプレーできたと思います。スイングが良くなってきているし、ミスのないよう、いいショットをたくさん打って、明日も楽しみたい」

穴井詩
3位タイ・トータルイーブンパー(3バーディー、3ボギー、1ダブルボギー)

「(9番でダブルボギー後)後半は左に行き出したし、流れを立て直すことができませんでした。明日は風をどう読むかと、マネジメント次第。外してもいいところに外して、頑張りたい」

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