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大会初日レポート

大会初日レポート

高橋彩華、小祝さくら、山下美夢有の3人が、6アンダーで首位タイ発進!

2020年は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、大会が中止となってしまったヤマハレディースオープン葛城。2年ぶりの開催となる2021年、残念ながら無観客試合となり、ギャラリーの声援を直接聞くことは出来ないが、ライブ配信等を通じて、開催を待ちわびたファンの声はきっと選手に届いているはず。そんな、春の女王戦の、熱い戦いの火蓋が切られた。

初日首位に立ったのは、高橋彩華と小祝さくら、山下美夢有の3人。高橋と小祝は6バーディー・ノーボギー、山下は7バーディー・1ボギーという内容で、6アンダーの好発進だ。さらに1打差の5アンダーで穴井詩が単独4位で続き、4アンダーの5位タイグループにはペ・ソンウ、上田桃子、ユン・チェヨン、比嘉真美子、澁澤莉絵留、小楠梨紗の6人がつけている。

一昨年、初日をアンダーパー発進したのは、わずか6人だったのに対し、今年は31位タイ53名の選手がアンダーパーでスタートした。残り3日間、葛城GCは選手たちにいつ牙を向けるのか? それとも、スコア合戦となるのか? 最後まで目の離せない戦いとなりそうだ。

高橋彩華、ショットとパターがかみ合って6アンダーの好発進!

メジャー大会級の難コース、あるいは難攻不落とも称される大会舞台の葛城ゴルフ倶楽部。だが、この日は終始、本来の姿を見せることはなかった。

曇り空ながら、雲の合間から太陽の光が差すことが多く、気温は19.7度。3.7m/sの風が吹き出したのは正午前くらいからだった。午前7時からティーオフした午前組がプレーした際には、ピンフラッグは、まったく揺れていなかった。風が吹くほどにコース難易度という“牙”をむく「春の葛城GC」らしさは影を潜めた一日。まさに“凪(なぎ)”という言葉がピッタリだった。

穏やかなコースコンディション下で、会心のゴルフを繰り広げたのは高橋彩華だ。インコースからスタートし、13番パー4ホールではピンまで「残り130ヤード」の2打目を8番アイアンで「1メートル」に着けてバーディーを奪う。16番パー4ホールでは2打目の「160ヤード」を6番アイアンで放ち「2メートル」のバーディーパットを決める。

アウトコースに入ると2番パー4ホールでは2打目の「100ヤード」の距離をロフト50度のウェッジで「10メートル」に乗せ、一発で沈めた。ボギーを打つ気配を微塵も見せない安定感溢れるプレーを続ける。4番パー3でも「10メートル」を、5番パー5では「1メートル」の距離のバーディーパットをカップにねじ込む。8番パー4ではこの日3度目の「10メートル」とロングパットを沈めて見せた。

「ショットが安定し、ピンチらしいピンチはなく、パットが良く入ってくれました」と高橋は振り返る。「風が少なくグリーンはボールが止まってくれたのでゴルフがしやすかったですね。ノーボギーは凄く嬉しいです」と続けた。

残り距離の数字は、なぜか切りが良い。「距離感は5ヤード刻みにし、あとはイメージで打ち分けています」。それほどまでに、高橋のショット感覚は研ぎ澄まされているのだ。

自身にとってこの日の最終ホールとなったアウト9番パー4ホール。2打目をピン横7メートルのバーディーチャンスを作り上げた。帯同キャディーと何度も会話を交わし、パットラインを確認する。ここまで積み上げたバーディー数は6。今年の第3戦Tポイント×ENEOS ゴルフトーナメント第1ラウンドでは64の自己ベストスコアをマークし、単独首位に立っている。だが翌日はパープレー、最終ラウンドは79のスコアで結局33位タイに終わった。ツアー初優勝のチャンスを逃した悔しさ。それだけではない。オフに行ったスイング改造、下半身強化の筋力アップトレーニングの成果が、思った以上に出せた嬉しさ、何が自分に足りないのかという収穫も得たのだった。

前週の試合では初日42位タイ発進から連日の巻き返しで3位タイに食い込んでいる。「ショットはラウンド数を増すごとに上向きだったので、あとはパット次第だとは感じていました。難コースで6バーディー・ノーボギーは自信になります」。

最終ホールで、さらにバーディーパットをねじ込んだなら、65の好スコアでフィニッシュできる。「もう一つスコアを伸ばしたい。パットラインを読みながらそう思っていました」。優勝に近づくためには、スコア貯金がいくらあってもいい。

この日バーディー奪取したパット距離は10メートルのロングパットと2メートル以下のショートパット。7メートルというミドルパットの距離は初めてだったのだ。

読み切ったラインに打ち出せた。ボールはカップへ近づいて行く。「入った! と思いました。でも、最後に逸れてしまって…」と高橋。それでも65の好スコアで首位タイの好発進を遂げられた。

「今日は風が吹きませんでしたが、明日からは風が吹くと一定方向ではなく、回るので風向きを読み間違えないようにプレーしたいです。初日トップ…(3戦目の)前回は好スコアが出過ぎて、どうプレーすればよいのか気持ちの持ち方が良く分かりませんでした。でも、その経験から今日のゴルフは今日、明日は明日という気持ちの切り替えるようにしました」と高橋。ショットの好不調の波を最小限に抑えるため、オフに取り組んだレイドオフへのスイング改造も奏功している。

ツアー初優勝がチラつく好スタートを切った高橋だが、「自分のゴルフができた時に、勝つ日が来ると思っています」と言い切った。自分のゴルフ――あと3日間できるか。凪の葛城GCに風が吹き、本来の姿を見せて“牙”を向いた時、高橋の真価が問われる。

大会初日のコメント

小祝さくら
首位タイ・6アンダー(6バーディー・ノーボギー)

「調子は、まあまあといったところでしょうか。ティーショットをミスしてもセカンドで良いところに行けばいいや、と思えたり、次のホールがバーディーなら、と考えたりできています。今日はティーショットが真っすぐ行かなかったので、それを修正して明日は臨みたいです」

山下美夢有
首位タイ・6アンダー(7バーディー・1ボギー)

「ショットの精度が良くて、バーディーチャンスにつけられたし、パットも入ってくれたので、全体的に良かったです。(首位発進に)緊張はないですね。自分のプレーに集中して、1打1打を大切に。同世代の活躍は刺激になっているし、負けないようにやっていきたい」

穴井詩
4位・5アンダー(6バーディー・1ボギー)

「パッティングが良かったです。コースは好きですね。今年はこれまでの葛城とは様子が違います。グリーンが止まりますね。私は(グリーンが)速い方がいい。耐える方が好きですけど、止まってくれた方がありがたいです。(4日間)体力が持つように頑張ります」

上田桃子
5位タイ・4アンダー(6バーディー・2ボギー)

「アイアンがあまり調子よくなかったのですが、そのぶんパターが良かったです。この後、アイアンの練習をして調整したいです。例年の葛城とは違う顔になっていて、明日も風が吹かない予想ですし、スコアが出ると思う。ボギーを打たずに気を引き締めてまわりたい」

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