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有村智恵選手 インタビュー

2年ぶりの開催となった昨年は無観客で行われたが、今年は各日3000名の入場制限はあるものの「有観客開催」として行われる。コースに足を運んでくれたギャラリーの目の前でプレーできることで、出場選手たちのモチベーションは自ずと高まる。大会ホステスプロとなれば、なおさらだ。そんなヤマハ スウィング レディースの中で「最年長」の有村智恵は、これまでとは違った心境で大会に臨んでいる。

「優勝が少し見えてくる気持ちになって来ました」。明るい表情で、言葉にも覇気がある。実は昨年5月に右脚太ももを痛め、精彩を欠く一年を過ごした。治療しながら、様子を見ながらのプレーだったのだ。それでも賞金シードは保持できた。今オフは治療に専念し、例年とは異なってボールの打ち込みやラウンド数が少ないまま開幕戦を迎えた。痛みや張りがまだ少しある。バックスイングで右脚に体重を乗せ切れないことからダウンスイングで思うような踏み込みができない感があるという。しかし、それでも「思っていた以上のゴルフが出来ている」という好感触を開幕戦で得られたことで、アスリート魂が再燃し始めたのだ。

昨年末に結婚を発表し、生活環境が変わった。ツアー転戦で不在がちだが、「洗濯や掃除など家事をしてもらってサポートしてもらえるのは、アスリートとしてとても助かっています」と、伴侶の支えには結果で応えたい。そんな思いも有村をやる気にさせている要因だろう。

大会舞台は難攻不落の異名を持つ葛城ゴルフ倶楽部。ベテランの域にある有村にはこれまでの経験値がある。「様々な技を求められるコースで、それだけに緊張感も高くなります。でも、ゴルフの感触が良くなっていますし、ホステスプロとしてヤマハのためにもファンのためにも勝ちたい思いが強まって来ています」。

二十歳過ぎの選手たちの活躍が続いている女子ツアーを有村は、どう受け止めているのだろうか。「クラブをうまく使ってスイングし、進化するクラブに順応していると思います。勉強させてもらっています」。ツアーの潮流をプロ視線で見極め、自分の成長につなげようとする謙虚さを持っている。自分の立ち位置、現状を把握しているからこそ「優勝が少し見えて来る気持ち」という言葉に重みがある。強い有村の底力をホステスプロの今大会で見せつけてくれるに違いない。

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