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大会初日レポート

大会初日レポート

ささきしょうこ、鈴木愛の二人が5アンダーで首位タイ発進!

2023年大会がついに開幕。初日は好天に恵まれ、気温16.5度で日中は暑く感じるほどの陽気に包まれた。風速1.8m/sと絶好のコンディションの中、第1ラウンドが行われ、2,063人のギャラリーが、プロの技に酔いしれた。

ささきしょうこ選手

鈴木愛選手

好発進を決めたのは、ささきしょうこと鈴木愛の二人。ささきは出だしの1番こそボギーを叩くも、11~13番で3連続バーディーを奪取するなど、トータル6バーディー。鈴木はピンチを招く場面があったものの、パットが冴え、5バーディー・ノーボギーの完璧なゴルフで、ともに5アンダーとしてトップに立った。

1打差の4アンダー3位タイに、岩井千怜、蛭田みな美、原江里菜の3人がつけ、さらに1打差の3アンダー6位タイグループには、2週連続優勝を狙う山内日菜子ら8人が追走する混戦模様。例年、我慢のゴルフが展開される葛城GCだが、果たして、今年の“春の女王戦”はどんな戦いが展開されるのか―。

脇元華 スイングのマイナーチェンジが効果てきめん!

インコース発進の脇元華は17、18番ホールとも1メートルのバーディーパットを決め、アウトコースに入った。連続バーディーの勢いは止まらず、1番ホールで5メートルを、2番ホールでは3メートルのパットを沈め、4連続バーディーをマーク。この時点で単独首位に立った。

8番パー4ホールで、この日の初ボギーを打って迎えた9番パー4ホール。脇元は2打目をグリーンカラーまで運んでいた。ピンまでは上り10メートルのスライスライン。難攻不落の開催舞台である葛城GCのコース攻略の鉄則は「手前から攻める」。それを実践し続けて迎えた脇元にとっての最終ホール。もう一打伸ばしたい。ボギーだけは打ちたくない。パターで転がし寄せるか、ウエッジでスピンの利いたボールを打って寄せるか。クラブ選択に逡巡する。決断し、手にしたのはパターだった。

脇元華選手

打った。ショートした。4打目のパーパットの距離は1.5メートル。入れごろ外しごろの微妙な距離だった。そしてボールはカップ縁をすり抜ける。痛恨の連続ボギー。この日、4連続バーディーをマークした選手は脇元ひとり。惜しまれるのは上がり2ホールのスコアだと言っても過言ではないだろう。

「インパクトをつい緩めてしまいました…」。一瞬、うつむきかけたが、すぐに上を向いた。表情に明るさが宿っている。

「ゴルフの調子は上がっています。それにパットの調子も、です」。オフシーズンにスイングのマイナーチェンジに取り組んだ。トップスイングをコンパクトにし、インパクトで顏面をターゲットとは逆方向に向けるイメージでクラブを振り抜く。この2点の改造に努めたという。

「オーバースイングを治すことで、ショットの方向安定性が高まり、顔(面)を右に向けるスイングイメージでのインパクトは再現性、ミート率がアップします。試合でもそれを続けていることで良いフィーリングになって来ていました。ですから、昨日から(今日のラウンドが)楽しみでした」。

まだ慣れないスイングによって首痛にも見舞われるとか。「顏を右に向けるなんて、前のスイングとは90度近くも向きが違うようなものですから、首に負担が掛かって当然ですね」と笑う。

前週は、ノーシード選手だった山内日菜子の優勝に刺激を受けた。「マジでおめでとう! と。ジュニア時代から一緒に練習したりラウンドしたりする仲ですから、次に優勝するのは私だなって思いました」

鶴岡果恋 バッティングセンター通いで飛距離アップ!

オフシーズンでの思わぬトレーニングが、好結果をもたらしてくれた。

インコースの午前1番組でスタートした鶴岡果恋は、11番パー3ホールでボギーを先行させたものの、15番パー5ホールで着実にバーディーを奪取してハーフターン。後半は2、3番ホールで連続バーディーを決め、続く5番パー5でボギーを打ったが、6番パー4ホールで再びバーディーパットをねじ込んだ。4バーディー・2ボギーの70。2アンダー・14位タイで第1ラウンドを終えた表情は明るかった。

「ドライバーショットのフェアウェイキープ率が100%でした。それに飛距離も出ていました。そのお陰で良いリズムのままラウンドできました」。

鶴岡果恋選手

好調ショットはオフシーズンのおかげだという。スポーツ好きの鶴岡はバッティングセンターに足を運んだ。「右打席ではまったく打てませんでした。試しに左打席でバットを振ってみたらボールに当たった、打てたんです。それ以降、大谷翔平選手と同じ左打席で打つようにしました」。冗談を交えながらも、その効果をさらに話してくれた。

「オフは週1回以上バッティングセンターに出掛け、時速90キロの速球を3、4コイン(100球前後)打っていました。(ゴルフクラブよりも)重い野球のバットを振ったことで前腕の筋肉がつきました。体のバランス感覚も高まり、体幹力もアップしたと思います。ヘッドスピードが1、2m/s速まり、飛距離は伸びました」。以前はドライバーの飛距離が240ヤードだったが、今では飛距離目安255ヤードに変わったという。

「毎日アンダーパーのスコア、3アンダーを目標にプレーしていますが、今日は一つ及びませんでしたね」。その分も踏まえて、明日は4アンダー以上をマークする。その手応えを感じてのコメントだったようだ。さらなる大爆発ゴルフを期待しよう。

大会初日のコメント

ささきしょうこ選手

ささきしょうこ
首位タイ・5アンダー(6バーディー・1ボギー)

「今週は体調があまり良くなくて、今日がぶっつけ本番。コースも使ったことがないグリーンがいくつかあって、恐る恐るプレーしていたので、大ケガせずに終われました。距離が短いところでしっかりバーディーを取れたのが、このスコアの要因だと思います。まずは体調管理して身体を休めて、明日も自分のペースでコツコツとやっていきたい」

鈴木愛選手

鈴木愛
首位タイ・5アンダー(5バーディー・ノーボギー)

「ショットの調子も全体的に良かったと思いますし、ボギーを打ちそうなホールも少なかった。ショット、パットともに安定していたと思います。開幕して5戦目ですけど、調子自体は悪くなくて、先週もパット自体の調子はすごく良かったのですが、ショートパットを外すことが多かったので、今週はより一層、ショートパットに気をつけて、リズム良く打つことを心掛けています」

岩井千怜選手

岩井千怜
3位タイ・4アンダー(5バーディー・1ボギー)

「(今日は)ライを見てどういう(クラブ)選択をするかとか、風を見てどのクラブで打つかという選択の、一つ一つがうまくいったのかなと思います。ここは下りにつけると、すごく神経を使うし、流れをつかむのも大変なコースなので、キャディさんと相談しながら、いい選択をできるようにしていきたい」

山内日菜子選手

山内日菜子
6位タイ・3アンダー(3バーディー・ノーボギー)

「先週よりショットが良くなってきて、バーディーチャンスが増えました。今日はロングで3つバーディが獲れてすごく嬉しいです。(2週連続優勝へ向け)ショットが安定してくれているので、しっかりとマネジメントをして、あとはパターが入ってくれたら」

葭葉ルミ選手

葭葉ルミ
6位タイ・3アンダー(4バーディー・1ボギー)

「前半からイメージ通りのショットが打てたので、気分良くプレー出来ました。ティーショットも飛んでいたので、チャンスにつけることが出来ましたね。コースも好きですし、グリーンも綺麗で転がりが良いので、そのぶん寄りやすくて、リズムが作りやすかったです」

西郷真央選手

西郷真央
14位タイ・2アンダー(5バーディー・3ボギー)

「前半、ティショットがバタバタしていましたが、途中でしっかりとバランスよく振ることができて、気持ち良く振り抜けて終われたので、良かったかなと思います。ボギーも結構打ったので、もう少し減らしたいですね。残りの3日間で少しずつ伸ばしていければ」

(文・写真:伝昌夫、菅野雅裕)

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