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大会3日目レポート

大会3日目レポート

鶴岡果恋が通算10アンダーで単独首位に!

鶴岡果恋選手

大会3日目は雲ひとつない青空が広がり、気温20度で汗ばむ陽気。3,453人のギャラリーが詰めかけ、ムービングサタデーらしく、順位の動く結果となった。

通算10アンダーで単独トップに立ったのは鶴岡果恋。7バーディー・2ボギーとスコアを5つ伸ばし、この日ベストスコアとなる67をマーク。前日の8位タイから順位を上げ、ツアー初優勝に王手をかけた。

1打差の通算9アンダーで、吉田優利とささきしょうこが追走し、さらに1打差の単独4位に、昨年の女王・山下美夢有と、ツアータイトル保持者が名を連ね、逆転Vへ牙を研ぐ。

2日目に通算10アンダーで首位に立った鈴木愛は、17番パー3でホールインワンを達成し、ホールインワン賞300万円を獲得。しかし、5ボギーを叩くなどスコアは3つ落とし、通算7アンダーの5位タイに後退した。

トップの10アンダーは前日と同じスコア。上位が順位を落とせば、スコア爆発によって、一気に情勢が変わる可能性も。何が起こるかわからない、混迷極まる“春の女王戦”。最終日、頂点に立つのは―。

鶴岡果恋 冴えるパッティングと冷静なマネジメントで初Vに王手

鶴岡果恋選手

「毎日アンダーパーのスコア、3アンダーを目標にプレーしていますが、今日は一つ及びませんでしたね」。大会初日、4バーディー・2ボギーの70(14位タイ)でフィニッシュした鶴岡果恋のコメントだ。まだまだスコアは伸ばせる。そんな予感が大会3日目に見事的中した。

2日目は目標スコアの3アンダー69で回り、8位タイに浮上して決勝ラウンドへ進出。この日は7バーディー・2ボギーの67、大会3日目のベストスコアをマークして通算10アンダーまでスコアを伸ばし、リーダーボードの最上段にその名を掲げた。トーナメントリーダーとなったのだ。

「ドライバーショットが安定していました。振り抜きが良く、2打目でバーディーチャンスを作れましたし、そのパットを決めることが出来てのスコアです」。鶴岡はラウンドをそう総括する。

決して順風満帆なラウンドではなかった。スタートの1番パー4ホールでは2打目がグリーン奥にこぼれ、3打目のアプローチは高速グリーンによってカップを6メートルもオーバーする。いきなりのボギーピンチ。「上りの、それも苦手なスライスラインでしたが、カップインすることができたので『パットの調子も上がっている』と感じました」。

距離のあるパーパットを沈められたことで気持ちが盛り上がる。GOサインのランプが点灯した。3番パー5ホールで3メートルのバーディーパットを決める。7番ホールをボギーとしたものの、9番パー4ホールでは4メートルのパットを沈めてバーディー。前半でスコアを一つ伸ばし、順位が大きく入れ替わる「ムービングサタデー」のバックナインへ突入。鶴岡は10番ホールで1.5メートル、11番ホールでは5メートルのバーディーパットをカップに放り込み、3連続バーディーとした。

勢いは止まらない。13番ホールで4メートル、15番ホールで3メートル。ミドルパットを一発で沈める会心ストロークでスコアを通算10アンダーの大台に乗せたのだった。迎えた16番パー4は今大会の難易度No.1ホール。鶴岡は2打目をグリーン奥にこぼし、返しの3打目の距離はピンまで30ヤード。急傾斜からのアプローチショットをカップ8メートルに寄せるのが精一杯だった。

2打目のミスを素直に受け入れた。動揺することなく、冷静なプレーを続けた。「ダブルボギーだけは打たないマネジメント、プレーに徹することができたのも落ち着いていたからこそです。ミスショットしても次打では一打に集中する。それができたラウンドでした」。

昨年までは一打のミスにカッとし、気持ちが乱れ、それがプレーに支障をもたらし続けスコアを落とす要因になっていた。今年は「ミスしても笑顔で」を心に決め、ラウンドに臨んでいる。

思うような成績を挙げられずにいた昨年は、「好きな(クラブ)ドライバー(ショット)が荒れてフェアウエイを捕らえられず、嫌いになってしまって」。今オフは苦手クラブと化したドライバーショットの修正に費やし、以前より「好きなドライバー」へと昇華させてツアーに臨んでいる。

先週の試合ではノーシード選手だった山内日菜子がツアー初優勝を挙げたが、同じくノーシードの鶴岡も「それに続け」という思いは強い。ラウンド中、「もしかしたら自分も行ける」という気持ちが沸々と沸いたという。

初優勝達成、シード権獲得を懸けた最終日。「いま出来ることをするしかありません。喜怒哀楽を表に出さず、笑顔でプレーするだけです」。果たして、最終18番のグリーン上で、鶴岡の真の満面笑みが見られるか。

大会3日目のコメント

吉田優利選手

吉田優利
2位タイ・通算9アンダー(5バーディー・1ボギー)

「今週は基本は安全に、ボギーを打たないようなゴルフをしていて、結果的に3日間でボギーは二つなので、今のマネジメントで行きたい。難しいコースなので、何があるかわからないですし、もし前半から流れが掴めなくても、最後まで諦めずにプレーしたい。明日は一番いい判断が出来ればいいと思います」

ささきしょうこ選手

ささきしょうこ
2位タイ・通算9アンダー(5バーディー・2ボギー)

「午後から風が吹いて、ちょっと苦戦しました。パーセーブしながら、粘って粘ってバーディーというゴルフだったので、伸び伸びとアンダーというよりは、必死なゴルフだったなという感じです。最終日は今日以上に気を引き締めて、もっと楽なバーディパットをたくさん打てるように頑張っていきたい」

山下美夢有選手

山下美夢有
4位・通算8アンダー(6バーディー・3ボギー)

「ショット自体は悪くないし、狙いどころにしっかり打てていました。パットも長いのが何個か入ってくれたり、ラッキーもあったので良かったです。ノーボギーを心がけているので、ボギーを打ってしまったことがダメでしたね。最終日もまずはしっかりノーボギーで、難しさを楽しんでプレーしたい」

高橋彩華選手

高橋彩華
5位タイ・通算7アンダー(4バーディー・2ボギー)

「今日はピン位置が難しくて大変でした。自己採点は90点ぐらい。チャンスがあったので、3mぐらいのを3つ外したので、もうちょっと入れたかったです。明日もピン位置が難しいと思うので、1ホールずつコースと戦いたいと思います」

石井理緒選手

石井理緒
5位タイ・通算7アンダー(3バーディー・2ボギー)

「朝イチがボギーでしたが、すぐに取り返して、インでも先にボギーが来たんですけど、すぐに取り返せて、そこは良かったんですが、もうちょっといきたかったかなと思います。まだ3打差なので、わからないと思って諦めずに頑張りたいです」

鈴木愛選手

鈴木愛
5位タイ・通算7アンダー(1ホールインワン・5ボギー)

「ティショットも良かったし、何かすごく悪い感じはなかったんですが、今日は悪い結果になってしまった。8アンダーで終われたら、明日はチャンスがあると思っていて、一時5アンダーまで落ちてしまったので(ホールインワンで)取り戻せた感じ。最後がバーディーだったら良かったんですが、今日はそういう一日でしたね」

福田真未選手

福田真未
9位タイ・通算6アンダー(6バーディー・2ボギー)

「今シーズンはパッティングが課題で、なかなか思ったように打てていなかったんですけど、今日は難しいピン位置の中で、いいパーパットもバーディパットも決められました。(ヤマハ勢が)予選を3人通過して、頑張りたいと思っていたので、今日伸ばせて明日につながります」

原英莉花選手

原英莉花
9位タイ・通算6アンダー(5バーディー・2ボギー・1ダブルボギー)

「前半がもったいなかった。あれだけバーディーが先行しているなかでボギーを打ったり、ダボを打ったり。明日は淡々といきます。淡々といくけど、心はしっかり燃えていきたいし、燃えてる中でも、ミスを自分の中でピックアップしないように気を付けていきたいです」

(文・写真:伝昌夫、菅野雅裕)

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