|前年大会覇者 山口 裕子 直前インタビュー|環境に配慮した試合作り|
桜前線は足踏みをしているようで、開催コースの葛城ゴルフ倶楽部の桜は、まだ満開を迎えていない。大会最終日には見ごろになりそうだ。果たして、今回、誰が桜を咲かせるのだろうか。
昨年大会の最終日、初日から首位に立っていた山口裕子は、8ホール目を終了した時点で通算5アンダーまでスコアを伸ばす快進撃を演じた。2位とは6打差。独走の逃げ切りによる完全優勝かと思われたが、9番ホールでボギーを叩き、ハーフターン後の10番ホールでダブルボギーを打った。そして12番ホールでも再びダブルボギーとし、6打差の「貯金」は一気に使い果たしてしまった。
「2つ目のダブルボギーを打った時点で、開き直ることができました。とにかく、ピン位置よりも奥に打ったのではボギー必至のホールばかりが続くので、手前から攻めることに徹したのです」
優勝争いの重圧から解き放たれたかのように、山口は「しのぐプレー」で踏み止まり、最終18番ホールを迎えて2位とは1打差をつけていた。
「パーセーブでも優勝できましたが、自分としてはどうしてもバーディーフィニッシュで終えたいという一心でプレーしました」という山口は、パー5の3打目をピン横2メートルにつけ、それを沈め両手を高々と挙げての万歳ガッツポーズ。7年ぶりのツアー2勝目を飾ったのだった。
「7年も優勝から遠ざかっていたので、勝てるとか、優勝できるとかまったく考えていませんでした。久しぶりに優勝した途端、多くの方々から祝福して頂き、『こんなに私を応援、見守り続けて来てくれたんだ』と、改めて感じました」。
自身初の大会2連覇に挑むことになるが、「もっと高い球を、もっと飛距離をとオフにスイング改造に取り組んだのですが、思うような結果を出せず、先週のオープンウイークで以前のスイングに戻して調整して来ました。優勝した時の良いショットイメージが、このコースに来て蘇って来たので自分自身、(好プレーができそうだと)楽しみになって来ました。2連覇のチャンスがあるのは私だけなので、ギャラリーの方々にも喜んでもらえるプレーで頑張りたいです。
葛城ゴルフ倶楽部はショットのポジショニングとパットの良否が問われるコース。ですから、昨年同様に手前から攻める堅実プレーで上位につけ、最終日は優勝争いに加わりたいと思っています。応援よろしくお願いします」と山口。
優勝によって深めた「友情」を、さらに強めるために2連覇という「記録」に挑む。山口は、桜を咲かせられるだろうか。注目だ。
|前年大会覇者 山口 裕子 直前インタビュー|環境に配慮した試合作り|