OPEN

  • twitter
  • facebook

CLOSE

大会レポート

大会3日目レポート

通算7アンダーで単独首位に立ったのは、韓国のイ ミニョン
地元出身の渡邉彩香が2打差の2位から逆転Vを狙う

前日の大会2日目にコースレコードの64をマークし、単独首位に立った韓国のアン ソンジュが、スタートホールのパー4でつまづいた。4オン2パットのダブルボギーを叩き、2位との3打差を1打差にしてしまったのだ。その後もアンは精彩を欠き、1バーディー、3ボギー、1ダブルボギーの76とし、通算3アンダーで6位に大きく後退。

単独首位に立ったのは、最終組でアンと一緒に回った韓国のイ ミニョン。6バーディー、2ボギーの68をマークし、通算7アンダーにスコアを伸ばした。首位と2打差の通算5アンダーで2位に渡邉彩香、さらに1打差の通算4アンダー、3位タイには、この日のベストスコアを出した韓国の申ジエ、今月が誕生月となる21歳の永峰咲希、そして藤田さいきの3人がつけた。

希望の花を咲かせるか? 永峰咲希、自信をもって逆転優勝を狙う

2014年にプロテストへ一発合格、翌15年に賞金シード入りし、昨年は賞金ランキング23位に食い込み、優勝者と同ランキング上位者だけが出場できるツアー最終戦にも出場した。安定した成績を積み重ねての躍進ぶりだが、一試合ごとの成績をひも解けば、自己最高成績は16年のこの大会で挙げた5位タイ。「トップ10はあっても、トップ5が少ない」。この壁を突き破らなければ初優勝を手にできない、頂点に立つことはできない。それを痛感している。

永峰咲希、21歳。来る4月28日に22回目の誕生日を迎える。ツアープロ転向後は、自信があったわけではなかった。だが、シード権獲得や優勝争いに顔を出すようになり、“もっと高い所へ”という上昇志向が日々強まって行った。それが何物にも代え難い成長の証かもしれない。

昨年までは「ボギーを打った後や気持ち悪いティショットを打った後、すぐ不安になっていた」。私生活では「安全第一、石橋を叩いて渡る」手堅い性格だと自己分析している永峰は、この「安全思考」を突き破ったなら、さらなる高みへ自分を押し上げられるという結論を導き出し、今季ツアーに臨んだ。

だが、開幕戦から2戦連続で予選落ちを喫し、3戦目でようやく予選通過を果たしたものの、順位は44位タイと平凡だった。4戦目にアイアンショットが復調し始め、最終日は前半にスコアを落としたものの「このままダラダラと順位を下げてはいけない。巻き返そう」と自らに喝を入れ、2バーディーを奪取。11位タイでフィニッシュし、今大会を迎えた。

「今週は優勝争いに加わることを意識し、プレーに対して不安を抱かないように自分に言い聞かせて、初日からずっとプレーして来ました」。その甲斐あって、初日70、2日目73にスコアをまとめ、通算1アンダー、5位タイで3日目を迎えた。

順位が大きく入れ替わるムービングサタデー。2番でボギーが先行したが、3番で2メートルをねじ込み、すぐにスコアを戻す。5番で再びボギーを打つ。それでも6番パー4のティショットはフェアウエーをしっかりキャッチした。ピンまで128ヤードの2打目。帯同キャディーが呟いた。

「ここで(上位集団に)ついていかないとダメだよ」。

前のホールでの「もったいない」ボギーと帯同キャディーの言葉で永峰は発奮した。9番アイアンで抑えたショットは「久しぶりに(ピン筋を)狙った」。ピン60センチにピタリとついてのバーディー奪取。それ以降、「入らなくてもパットをしっかり打つようになった」ことで、残り12ホールでボギーなし、バーディー3つをもぎ取り、通算4アンダー、3位タイで永峰はフィニッシュした。

「難しいコースで、ピン位置も厳しく、雨も降っていましたが、戦略性にあふれていたので楽しくプレー出来ました。ネガティブ、後ろ向きの思考を克服するには(明日の最終日が)絶好のチャンス。自信を持ってプレーするだけです」と自分に言い聞かせるようにして最終日の戦略を口にした。

咲希という名は、希望が花咲かせるという意らしい。誕生月に念願のツアー初優勝を飾れるか。それよりもネガティブ思考に陥りやすい自分に打ち克つことが、大会最終日の最大課題。クリアしたなら、自ずと結果はついてくる。希望の花は、自分で咲かせるしかない。

大会3日目のコメント

イ ミニョン
1位・通算7アンダー(3R、68/6バーディー、2ボギー)

「(パットが入っていたが?)苦手なんです。練習するのも好きじゃありません。(優勝のチャンスに)まだちょっと早いと思います。(日本に来て)1カ月しか経っていないので。明日はパー4のホールのティショットがカギになると思います」

渡邉彩香
2位・通算5アンダー(3R、71/3バーディー、2ボギー)

「前半は全部フェアウエーに行ってチャンスを作れましたが、後半はショットのミスもあって、伸ばしきれませんでした。明日は最終組が良かったので、最後バーディーなら(最終組に)入れると思って、それでバーディーが取れて、明日を迎えられるのが楽しみ。緊張感を持ってやれるし、伸ばし合うプレーがしたい」

申ジエ
3位タイ・通算4アンダー(3R、66/7バーディー、1ボギー)

「今日は同組のメンバーがテンポが良くて、そこに便乗できた感じ。アン(ソンジュ)選手が、昨日あのスコアを出していたので、天気は言い訳にならないと思ってました。(明日は)最終組になりたかったし、最終18番のバーディーは明日につながる。いいイメージを描いて行きたい」

藤田さいき
3位タイ・通算4アンダー(3R、69/6バーディー、3ボギー)

「(前半)全然パーが取れなくて(笑)。ショットはいまひとつですけど、感触は悪くないです。(優勝へ)がっついても失敗してきたし、力に変えられないんです。だから、のんびり行きたいですね」

ページのトップへ戻る