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ささきしょうこ選手 インタビュー

人生には「上り坂」と「下り坂」そして「まさか」の三つの「さか」があると言われる。昨年大会は例年通りの白熱戦となり、試合は通算9アンダーで首位に並んだ穴井詩とささきしょうことのプレーオフにもつれ込んだ。プレーオフ2ホール目でバーディーパットをねじ込んだ穴井が、ガッツポーズを決めて熱い戦いは幕を閉じる。

敗れたささきは、優勝できなかった悔しさよりも最終日まで無事にプレーできたこと、大好きな先輩と二人だけで覇を争う楽しさ、大勢のギャラリーの前でプレーできた喜びの方が大きかったと振り返る。

「開幕戦頃からは毎年、花粉症に見舞われたり、扁桃腺が弱いこともあって熱が出たりと体調がすぐれません。でも、去年は不思議と一戦目から成績だけは良くて…」。プレーは上り坂。

昨年は開催週の月曜日から39度を超える熱が出たという。体調は下り坂となったが、それでもゴルフが好調だったことから無理を押して強行出場したのだ。練習ラウンドは当然できず、ぶっつけ本番で迎えた初日に5アンダーで首位タイとなった。無理をせず、パーオン・2パットのプレーに徹したのが奏功して5ストロークの貯金に。日に日に熱は下がり、体調が戻り始め、無事に72ホールのプレーを終えられた。その結果が首位タイ。プレーオフに進出するとは思いもしなかった、いい意味での大誤算だった。

まさかは、さらに続いた。プレーオフ2ホール目のこと。「(穴井)詩さんがティーショットを超右方向に打ち出して、(その先にはOBが…。どこへ打ってるの)とまず思ったんですよ。これで私の勝ちかなって次に思ったのですが、ボールはテレビ塔に当たり、カーンという大きな音を立てて、フェウアエイに戻って来たんです。えっ、まさかって感じでした」。

このラッキーショットをしっかり生かしてバーディーを奪取した穴井に対し、ささきは「純粋な気持ちで『おめでとう』と祝福の言葉を最終18番グリーン上で送ったのだった。

「ホント忘れられないプレーオフとなりました。自分にとって、まさかがタップリの大会でした。今年は体調も状態も違うわけですから、またイチから始まるという気持ちです。優勝したい気持ちはもちろんありますし、去年の悔しい思いを嬉しいに変えられたら最高です」。

今季は愛用ボールを変更したことで本戦前日でのパター選びにも熱が入っていた。今年の大会では自分が「ウイニングパットを決める」思いでいっぱいのように見えた。

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